刺し子と刺繍の違いって、なんですの?

刺し子と刺繍の違いってなんですの

先日イベントに参加したときや知人によく聞かれるこの質問。

結論、刺し子と刺繍の違いは元々の目的です。というのを、歴史背景を踏まえサクッと説明します。

元々の目的:刺し子=補強、刺繍=デザイン

刺し子は江戸時代中期、特に綿布が貴重だった東北地方で広く普及しました。貴重な綿布を長く大切に使うため、また東北の冬の厳しい寒さをしのぐために、布を重ねて細かく縫い合わせることから発展したそうです。

そして、生活の知恵で生まれた刺し子で装飾が施されるようになり、日本三大刺し子である青森県の「こぎん刺し」、秋田県の「菱刺し」、山形県の「庄内刺し子」など、実用性とデザイン性を兼ね合わせた刺し子技法が生み出されました。

一方、刺繍は布地を装飾し、美しさを表現することが目的です。その起源は非常に古いそうで、古代エジプトや中国では宗教的な装飾として、ヨーロッパでは貴族の衣装や教会の装飾などに用いられました。

日本でも飛鳥時代には仏教とともに刺繍の技術が伝わり、貴族や武士階級の装飾として発展したそうです。要するに、高貴な文化から生まれたわけですね。

布が大量に生産される現代において、刺し子の最大の目的である補強よりもデザイン性が注目されるようになってきたので、刺し子と刺繍の違いはなくなってきていると感じます。

あと、手縫い刺繍と刺し子の両方をやっていて感じることですが、刺繍を施した布自体の強度も少しはアップします。ただ、刺し子をたくさん施した布の強度には、さすがに敵わないかな。

刺し子と刺繍の道具の違いって、なんですの?

刺し子と刺繍の違いってなんですの

これもよく聞かれること。この問いのアンサーは、

「刺し子も刺繍も針と糸さえOK!刺繍は刺繍枠があるとなおよし。」

刺し子と刺繍の違いってなんですの
左が刺繍針、右が刺し子針

刺し子と刺繍の違いってなんですの
左から、刺し子糸(合太)・刺し子糸(細)・刺繍糸(1本どり)

これから刺し子や刺繍を始めたい人は、手芸店に行けば「刺し子針・刺し子糸、刺繍針・刺繍糸・刺繍枠」と分類されているので、自分の気に入ったものを買えば大丈夫です。なんなら100均でもOK。

刺し子と刺繍の針と糸の違いは主に太さです。一般的に刺し子針・刺し子糸の方が、刺繍針・刺繍糸より太いです。

ですが、刺し子糸で刺繍はできますし、刺繍糸で刺し子も出来ます。というのも、刺し子糸・針や刺繍糸・針は、メーカーが便宜上そのように表記だけやからです。つまり、好きなやつ使って、好きなようにやりゃええんです。

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目玉部分は刺し子糸で。

この目玉も刺し子糸で刺繍。

ただ、刺繍のときに刺繍枠を使うのは、刺繍を続けているとだんだん布がよれてきて、仕上がりがカッコ悪くなるのを防ぐためです。これは使いましょうね。

まとめ

刺し子と刺繍の違いはその元々の目的:刺し子=補強、刺繍=デザイン。

ただ、布が大量生産される現代では、刺し子の目的もデザインになってきている。

両者の道具の違いは便宜上あるけど、好きなやつを使えばOK!

もし、刺繍するときは刺繍枠をお忘れなく。

最後に

私、刺繍は完全独学ですが、刺し子は一度だけ大阪でワークショップに参加したことがあります。その時の先生が言ってました。

「刺し子は自由です、ルールはありません。布が補強出来てたらええんです。」

この一言で、刺し子を続けることを決めました。

だって、ルールがちがちやったら、サラリーマン辞めて4年以上ふらふらしてる私が出来るわけないですから。そんなん、なんもおもんないですからね。

さっきのお言葉は、刺繍にも共通すると私は思ってます。自分の好きなようにやったらええんです。失敗とか下手くそとかは、他人がどやこや言うこと。自分がOKやったら、それでOKなんです。

おっと。最後ちょっと熱くなって、ほんのり焦げ臭くなってきたので今回はここまで。他人の情熱のボヤ騒ぎなんて、対岸の火事でしかないですからね。

刺し子や刺繍に興味ある人は100均でもすべて道具揃えれますので、ぜひトライしましょうね。ではでは。

Derpドラえもん刺繍
刺し子 on 「ぼく、Derpなドラえもんです。」刺繍。これが私のスタイルです。
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