紀の川・粉河藤井の農家を訪れシャクヤク収穫時期の様子を見学しました!

和歌山・紀の川市粉河藤井の魅力や農業の意義、農家の想いを観光や地域交流を通じて伝え、地域活性化とコミュニティの再生を目指し、2020年に設立された「藤井の里くらぶ」。
今冬、藤井の里くらぶの援農プログラムに1週間参加したご縁で、藤井の里くらぶの一員である「味の里園」の児玉さんにお願いし、シャクヤク収穫の様子を見学させていただきました。
シャクヤクはもちろん、収穫時期の様子を見る機会は滅多にないので貴重な経験となりました。せっかくなので、そんな様子など綴っておきます。
粉河藤井のシャクヤク収穫時期の様子どん!

やってまいりました、こんにちは、紀の川市粉河藤井。
JR和歌山線粉河駅から車で8分ほどで着きますが、今回はJR阪和線の熊取駅前からバスで35分、重行(しげき)駅で下車し、お迎えに来ていただきました。ありがとうございます。
見学の前に…
では早速、シャクヤクの見学へGO!かと思いきや、「とりあえず、コーヒー飲みに行きましょかー」と、児玉さんから優しいご提案が。
「もちろん、のみましょう!」というわけで、粉河藤井の地のフルーツを使った焼き菓子とジャムの専門店「Kiika」でアイスコーヒーを頂きながら、店主と児玉さんと談笑。
「最近、店の前にツバメが良くやって来て、おそらく巣を作ろうとしてるからなんとかせねば。」と警戒する店主と、その悩みを解決してあげようとなんとか手だてをする児玉さん。
普段からパティシエと農家という関係性で本気でいいものを作りたい、という思いでやりとりをしているからこそ、ふと垣間見えたお互いの中の良さはまさに親子。その様子を後ろから見て、めっちゃほっこりしました。(写真撮るの忘れました、ざんねん…)
コーヒーを飲み干してKiikaを後にし、シャクヤクのハウスへ向かうことに。
シャクヤクのハウスへGO!

はい、どん!一面すべてがシャクヤクです。「立てばシャクヤク、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい女性を形容するとおり、ピンと立って凛とした姿がすてきやん。
ちなみに、味の里園では滝の粧(たきのよそおい)とピュアローズの2種類のシャクヤクを栽培してます。今回見学したのは、滝の粧のハウスです。

ここでちょっとだけ、シャクヤクの説明を。
シャクヤクの収穫時期は気温にもよりますが、だいたい4月中旬頃とのこと。一度根を植えると約10年はきれいな蕾が生えてきて、その後は根っこを掘り出し漢方に使われます。(例えば、葛根湯って聞いたことありません?含まれてるんですって、シャクヤク。)
かつては紀の川市で10軒ほどシャクヤク農家がいたそうですが、いまや粉河藤井で2軒、隣町と併せて3軒しか残っていないんです。理由は、シャクヤク栽培の手間と価格の安さ。
かつては収穫のピークになると、収穫~出荷までの作業を昼夜ぶっとおしで行っていたそう。その間の数日間睡眠2時間ほど。これを夫婦2人でやるのは大変ですよね。
シャクヤクの主な出番はお祝いごとなので、コロナ以前はシャクヤクの需要が多かったものの、コロナでお祝いごとが一気になくなり需要が減少。そして価格が下落。
現在ではシャクヤクの需要が徐々に回復しつつあるものの、前述の理由から多くの農家さんがシャクヤク栽培から撤退して、別の果物を栽培し始めたそうです。
ただ、美しいシャクヤクの需要は少しづつ海外に広まっており、主に香港やアメリカから引き合いがあるんだとか。海外需要が増えて、価格上昇につながってほしいですね。(私、ここにも魅力感じてます。元専門商社営業の端くれですが、うん、台湾に輸出したい。)
その後、収穫の説明を受けました。
シャクヤクはお客の元できれいに開花させる必要があるので、蕾の状態で収穫します。
この鎌で一本ずつ丁寧に刈り取っていくんですが、これが大変。茎が折れてはいけないけど、ちょっと力を入れないと刈れない。まさに職人技。
シャクヤクの出荷規格はS~2Lまであり、判断基準は蕾の大きさと茎の長さ。
鎌の持ち手に出荷規格の長さを書いているのが、ちょっとおもしろかったです。
つづいて、レモンとみかんのハウスも見学。

藤井の里くらぶの農家さんの特徴は、なんといっても多品種少量生産(フルーツ多め)。それでいてどれも美味しいんよね。援農プログラムで来た時、おすそわけでレモンやみかん(せとか・不知火)などをもらったら食べ過ぎたのも、ほんまいい思い出。

4月中旬なので、みかんのお花が咲いている状態。白くて綺麗。みかんの花って、いい香りするんですね。なんと形容していいか分かりませんが、とにかくええ香りでした。

お花のなかに見える、ちっちゃい緑の丸っこいのがみかんですって。こんなかわいいのがあんな大きくなるんですね。まさにみかんベイビー。

つづいて、レモンハウス。こちらはちらほら実がなっているのがありますが、まだまだサイズが小さかったです。

レモンの蕾。レモンの皮って黄色やのに、蕾はピンクなんですね。ぷっくりしてかわいいね。

一部では花が咲いてました。花は白くて、これまた美しい。そしていい香り。これまた形容できないですが、とにかくいい香りでした。
ハウスを見学後、シャクヤクの梱包作業を見たり体験しながら、児玉さんと奥様と3人で談笑。すると、お家に飾っているシャクヤクの花を持って来てくれました。
シャクヤクの花って、めっちゃきれい。

めっちゃきれい!写真で見るより生で見る方が100倍きれい!

大きい!これでも出荷規格では小さいほう。もっとも大きい2Lやと、もっとおおきいんですって(手でこれくらいって説明受けたけど、メロンパンとバレーボールの中間の大きさでした)。

その後もいろんなお話をしていると、そろそろバスの時間に。最後にせっかくやからと、シャクヤクのおすそ分けまで頂きました。厚かましい限り、ほんまありがとうございます。
見学を終えて

今回はシャクヤクの見学の様子を綴ってみました。そもそも見学するまでは、シャクヤクの事どころか、名前もほとんど聞いたことありませんでした。
ですが、味の里園へ伺いお話を聞くことで、シャクヤクのことはもちろん、農家さんの実情を知り理解を深めることが出来ました。また、味の里園では、体力の問題で数年後にはシャクヤク栽培を引退し、他の果実へ切り替えを検討しているんだとか。
というわけで、この記事を見てシャクヤク見てみたいと思った方は、藤井の里くらぶ or 味の里園に訪れてみてはいかがでしょうか(今シーズンはおしまい、来シーズン以降ですよ!)。 ではでは。
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